chickengirlのブログ

徒然なる日記です。

愛しのロボロック

旦那のボーナスが出たので、思い切って、ロボロックを買ってもらった。
ロボロックを知ったのは、多分、2ヶ月くらい前。
Instagramにて、堅実OLさんが、買ってよかった物として紹介していた。



ロボットクリーナーとしては、ルンバちゃんが有名ではあるが、ルンバちゃんは、ペットのいる家庭には不向きらしいという話をよくネット上で見かけていたので、消極的だった。
しかし、ユーチューブで紹介されていたロボロック君は、掃き掃除と拭き掃除を一緒にしてくれ、2つの装着されたムーブアイにより、障害物の内容まで判断して掃除してくれるらしい。
つまり、障害物に対し、コイツは行かないほうがいい。コイツは強気に行ってよしを判断できるそうだ。
なんとゆー革命か!
家事全般を大嫌いと豪語する私だけれど、中でも掃除と整理整頓が大嫌いな私の救世主の様なロボットである。
早速、旦那を洗脳し、この素晴らしいロボットを購入させた。
洗脳も意外に簡単だった。
私の母は、オーブンレンジを買い替える時、必ず「これ買ってくれたら、毎週ケーキ焼く!」と電気屋で父に言う。
しかしながら、次のオーブンレンジを買うまでに、ケーキが焼かれた回数は、20回を上回らない。場合によっては、1度も焼かれない時もあったと記憶する。
加えて、父が大の甘党と言うこともなければ、私に至っては、ケーキは大して好きではない。
特に、素人の母が作るケーキは、ケーキ屋さんのそれより遥かに劣る上、必ずワンホールできてしまうので、くさらせたらもったいないという理由から、必ず食べたくないタイミングで大量に食べなければならない羽目になる。
だから、願うなら、オーブンが新しくなったとしても、ケーキは焼かなくていいと、いつも母の口説き文句を聞きながら思っていた。
それに比べれば、今回、私が旦那に放った洗脳ワードは、なかなかの効力があったと思う。
なぜなら、私が支払う予定で購入を持ちかけたが、後に、彼から協賛金を得たから。
つまり、彼は、近所の電気屋までチャリを走らせたが、ポイントアップキャンペーンに対応しておらず、仕方なく、下取りのボロい掃除機を抱え、乗り換えありの3駅先の電気屋まで娘を連れて購入に行かされた挙げ句、初期設定までしてもなお、私にペイバックしても良いと考える程にこのロボロックの購入に賛成してくれていたんだな…と、推察した。




さて、ロボロック、間取り設定中に立入禁止区域(ペットシート上、玄関)に到達してしまうという難点はありながらも、すぐ停止をかけて設定すれば、こんな醜態もないわけで、初期設定もなかなか簡単だった。
いざ、使ってみると、なんと便利なことか。
ホントにこれを開発してくれた人に感謝しかない。
きっと、私の様な掃除嫌いで気遣いのできる人なのだろう。
スマホで「掃除開始」を押すだけで、家中くまなく清掃してくれる。
ダイニングの足に、何度もよじ登ろうと円形の体で、モーター音を上げて挑む姿は、開発者の根気と負けん気の強さを感じさせられ、思わず「頑張れ!」と、応援したくなる。



そして、旦那の足の下を通る時、謎に吸引力を上げて何度もまとわりつくように清掃してくれたり、犬が気を抜いてつっ立ていると、お構いなしに任務を遂行し直進していく様に、人間味さえ感じ、掃除が終わり、颯爽と充電器に帰還してくる姿には「おつかれ様」と声をかけたくなる程だ。
何だかんだ、貧乏性の私は、家電ロボにも声をかけねぎらってしまうさもしさをも認知してしまう…。


さらに、数日して気づいたのだが、最初は毎日していたが、何だかんだ、雑巾部分を洗いそこね夜を迎えると、ロボロックさえ毎日始動できない私の愚弄さを思い知らされる。
ほんの両手のひらほどの雑巾を洗えない程の怠け者なのだ。
きっとロボロックも、「この女はなかなかの怠慢だな」と思うだろうなと、久々にロボロックを始動させた時は身につまされる思いがした。
ここまでくると、ママ友より、ロボロックの方が内情を把握していて怖いなと思うようになった。
こいつが、自由にお喋りしなくて良かったとさえ思う。



そして、誤算だったのは、ムーブアイセンサーがある事だった。
イタズラに遊ばれたくなくて、旦那には、遠隔操作でムーブアイから室内画像を見れるという事実は伝えていなかった。
しかし、数日で彼はその事を知っていて、職場から休憩時間に作動させ、犬の状況を確認するようになった。
ある日、朝からのんびり昼寝をしていたら、その画像がラインに送られてきた事がある。
また、突如ロボロックが稼働し始め、私と娘を探し始めたので、浴室に隠れてやった事もある。
私は昼寝しかしないが、良からぬ事をリビングでするのは危険だなと感じた。
この様に、ロボットと言えど、ロボロックの出現によって我が家は快適かつ楽しい家になった。
年賀状には、「新しい家族が増えました。」と写真入りで皆に知らせたいほどである。

彼がもし、私の孫だったなら…

私の同級生の母親は、一人で美容室を営んでいる。
良心的な価格に加え、田舎特有の人情の厚いおば様が、学生の私から1500円でカット・カラーをした挙げ句、白菜やら洗剤やらを持たせてくれる。
母も、長くこちらにお世話になっている。
田舎の街の小さな美容室だから、最先端の物は何も無いけど、ホッコリする。
私も母も、祖母も3世代がこちらの美容室のおウチと同じ世代で、オバアちゃまも、健在の頃は、よく美容室でお客様のお相手をされていた。
お客様といっても、常連は田舎町の奥様だから、オバアちゃまのお友達さんだ。


オバアちゃまは、お仕事で接客している訳ではないので、ふら〜と現れて、美容師のおば様のお手伝いをなさる時もあれば、お昼寝されてお会いしない時もある。途中でご用事にお出かけされる時もある。 
家族の中では、自由人の様で、娘である美容師のおば様は、時々お世話をやかされて、困る事もある様だ。



おじい様が入院された際は、オムツの交換や、何かしらの不具合があると、いちいち美容師のおば様に連絡してきて、今すぐ病院にきて、不具合を取り除くよう頼んできたらしい。
美容師のおば様が呆れ果てて、「私、今、お店にいてお客様いるから、看護師さんにお願いしてちょうだい」と頼むと、「看護師さんは忙しいから、こんな事でいちいち呼んだら可哀想」とおっしゃったとか。
こんな武勇伝を沢山もっている。
勿論、家族からしたらたまらないだろう事は、私にも容易に推測がたつ。
しかしながら、私は、このオバアちゃまがとても素敵で大好きだった。



ある、年の瀬に、髪を整えにいくと、美容師のおば様が、「お母さん(オバアちゃまの事)、どこいったのかしら?まったく!」と、カットの途中で鋏を片手に、入り口を除いていた。
どうやら、さっきまでお客様のお相手をされていたオバアちゃまの姿がないらしい。
しかしながら、お客様も何人かおり、私も入店したものだから、外に探しに出れる状態でもなく、美容師のおば様は、店内に戻り、私のオーダーをとり、また、お客様のカットを始めた。
だいぶたち、私がカット番になった頃、オバアちゃまはひょっこりお戻りになった。



「今な、そこで工事してらんね。朝から、なおき(孫息子)くらいの男の子が、ずーっとガードマンで立ってらんねん。こんなに寒いのに…可哀想やから、温かい缶コーヒー買ってきてあげてん。」と、息を切らしておっしゃる。

その日は、年の瀬と言うこともあり、降雪予報も出る程のとても冷え込んだ日だった。


すかさず、美容師のおば様は、
「お母さん、そんなん、あの子は仕事中やのに、話しかけて、知らん人からコーヒーなんか勧められて迷惑やで〜」
と、さとす。
足が悪いオバアちゃまを、美容師のおば様も姿が見えなくなって、とても心配されていたと思う。その安堵からでた言葉だろう。
しかし、自由人のオバアちゃまは、こともなげに
「せやかて、こんな寒い日に、いくらお給料でたかて、風邪ひくやんか。私は、なおきが、こんな寒い日に外で立ってなアカンかったら、誰ぞ、温かいコーヒーでも渡してくれたらな〜と、思うたからよ。きっと、あの子のお母さんもそない思ってると、私は思う。」
と、毅然と言い放った。
そんな二人のやり取りが、私はいつまでもいつまでも忘れられなかった。
若い頃は、美容師のおば様の現実的な所と、オバアちゃまの優しさの対比が際立って見えたが、私も娘を持ち、当時の美容師のおば様の年齢に近づくにつれ、美容師のおば様の心情にも気づく点が多くなってきた。
それでも、こんなに温かい優しさを、他人にも向けて気持ちをかけられるオバアちゃまが、私にはとても素敵に感じる。



40歳を前に、地元を離れて、単身生活している社員くんやバイトちゃんといると、コロナで帰省も叶わない近況に、やはり、各々のお母様の心情を察して切なくなる。




あのオバアちゃまは、当時のガードマンだけでなく、私の心にも人情の種を撒いてしまわれた様だ。
折角、植えていただいた種だから、私の人生の尽きるまで、大切に育てていきたいと思っている。

母の日に際して

父は、サプライズが上手で、イベントの得意な人だった。父も祖父も、子煩悩な人で私と弟は甘やかされて育ったと思う。
母の日、家族の誕生日、季節のイベントは父が仕切ってきた。
また、春は山菜採り、夏はキャンプ、秋は紅葉、冬はスキーと、毎週末、忙しい家庭だった。



一方、主人は、娘が産まれた際も付き合いで呑んでいて、産後も、夜泣きに背中を向けて寝ているような男だった。
こんな薄情な男性が一部、存在するのは知っていたが、まさか、この自分が、そんな薄情者を伴侶にして、務まるとは思っていなかった。
やるせない思いは沢山した。
アッタマきて、家中叫びながら暴れた事もある。
勿論、離婚も考えたし、都度、話合い折り合いをつけてきた。
当然、旦那だってそうだったんだろうと思う。



先日より夏日が続いたある週末、突如、主人が掃除機は何処か?と言い出した。
掃除機の場所を伝えるやいなや、彼は片手に持ち、エアコンのフィルターを掃除し始めた。
お叱りを受けるやもしれないが、その日以来、既に、我が家は、冷房を稼働させた。
横になる以外、何もしなかった旦那が、初めてエアコンの掃除をしていた。私の役に立った(笑)




ここの所、娘のスイミングの進捗がよくない。3度も同じ級から進めずにいる。恐怖心が先立つらしい。
私はウンザリしているが、旦那は、色々様子を聞き、アドバイスをしている。
母の日の日曜日も、振替のスイミングレッスンに夫婦で参観した。
観覧室はとても混んでいて、やる気のない私は、買い物後に合流したが、席が無かった。
旦那が、自分の席を私に譲り、自分は温室の観覧室から観るという。
以前、私が「様子がよくわかるから、温室から見よう」と誘っても、汗を掻くから嫌だと言って、1度も来たことが無かった。
そんな旦那が、50分、混み合う温室から娘の姿を観覧していた。レッスン内容は、あまり芳しくない。今月も進級は厳しそうだとの見解は、私も旦那も一緒だった。


レッスン後、着替えの手伝いに向かう私に、旦那から、今日のレッスンを咎めないで欲しい。夏休みに、特訓にいれていいから、あと3回位は進級を見逃してやってくれと言ってきた。
しかし、私は、抑えきれず、娘に思いの丈をぶつけた。娘も自覚はあるが、恐怖心から逃れられずにいた。
着替えが終わり、旦那と合流すると、旦那が事細かにレッスンを振り返り娘に伝えていた。



夜泣きに背を向けて「煩くて眠れないから、リビングにつれていけ」といっていた旦那。 
私が、珍しく38度の熱がでた日、ポカリだけ買って、22時半に帰宅した旦那。
トイトレの最中もトイレに連れて行くのが面倒で「オムツでしちゃってもいいよ」と言っていた旦那。
幼稚園の送り迎えは、仕事に差し障るから出来ないと言い切った旦那。
夏休みの宿題を付録つき絵本と間違えて娘に捨てるように言った旦那。
娘が胃腸炎で、連日救急病院に行っている旨を伝えても、実家の法事から帰ってこず、自分の食レポラインをよこしてきた旦那。
言い出したらキリのない、(私の中で)非人道的な旦那。
そんな旦那がいつしか、娘の為に、公園につれていき、好きなお店で外食させ、私の時間を作ってくれ、夕飯の買い物をして帰るようになり、ごみ捨てをする様になり、苦手な温室で娘の一挙手一投足に目を凝らし、アドバイスして、気づけば娘が大好きなパパになっていた。


娘より、私より、父親として急成長を遂げてゆく旦那。これは、何よりの母の日のプレゼントだった。
私は、ずっと気づかなかった。私も、怒り狂うばかりの母では、二人に負けちゃうなと痛感した、母の日になった。